OCI Cost Estimator で月額を見積もり、Budgets で予算アラートを置く
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公式ドキュメントで検証最終検証 2026-11-01編集部出典 7件
当ページの解説・制限値・構成図は、一般公開されている Oracle Cloud Infrastructure (OCI) 公式ドキュメント、Oracle Cloud Price List、および Oracle University 公開試験ガイドを一次根拠として検証し、独自のSVG視覚図解として作成しています。
このページは、ロードマップ STEP 2 の「予算アラートを先に置く」と、STEP 7 の「月額を見積もる」を扱います。リソースを作る前に実績と予測で通知を受け、完成した構成全体を料金の考え方に当てはめます。
1. Cost Estimator の使い方
Cost Estimator は、Oracle のサイトにある月額の試算ツールです。公式では評価用で、正式な見積もりではないとされています。
- Cost Estimator を開き、My Estimate の見積もりに名前を付けます。
- Compute shapes、Services、Reference architectures、Search のいずれかから項目を追加します。
- Compute は台数、1日の時間、月の日数、OCPU、メモリ、ストレージを入れます。
- サービスごとの小計と、右上の Estimated Monthly Cost を確かめます。
- 通貨を切り替え、必要なら複製で別案を作ります。
- 文脈メニューの Export で、Excel、CSV、JSON に書き出します。
コンソールの表示との違い
Compute の作成画面にも月額の目安が出ます。これは1か月を744時間として計算し、ネットワークの通信など一覧にないものは含みません。段階的な単価も反映されないので、構成全体の見積もりには Cost Estimator を使います。
2. 題材の構成を見積もる
見積もりは次の順に進めます。金額の前に、前提を書き出すのが大事です。
- 完成図の部品を一覧にする
- 部品ごとに課金の単位を調べる(時間、GB、件数)
- 使用量の前提を決める
- 無料枠を引く
- 動かす時間で別案を作る
前提と単価
今回の前提は、Compute A1 Flex 2台(各 1 OCPU、6GB、起動用50GB)、Flexible LB 10Mbps、WAF、Autonomous AI Transaction Processing 2 ECPU、20GB、領収書30GBです。単価は Oracle の公式価格 JSON の日本円の表示で、2026-11-01 に取得しました(同データの更新日は2026-10-08)。
題材の月額の例(Pay As You Go の表示価格、744時間、2026-11-01確認。税や契約による差は含まない)
| 部品 | 品番 | 単価 | 計算 | 月額 |
|---|---|---|---|---|
| Autonomous の ECPU(ライセンス込み) | B95702 | 52.08円/ECPU時間 | 2 × 744時間 | 77,495円 |
| Autonomous のストレージ | B95706 | 30.2715円/GB月 | 20GB | 605円 |
| Object Storage | B91628 | 10GBまで0円、以降3.9525円/GB月 | 30GB − 10GB | 79円 |
| Compute A1 のOCPU | B93297 | 枠を超えると1.55円/OCPU時間 | 1,488時間(枠内) | 0円 |
| Compute A1 のメモリ | B93298 | 枠を超えると0.2325円/GB時間 | 8,928 GB時間(枠内) | 0円 |
| Block Volume | B91445(無料枠)、B91961 | 200GBまで0円(Always Free Resources)、超えると3.9525円/GB月 | 100GB(枠内) | 0円 |
| Load Balancer | B93030、B93031 | 744時間、7,440 Mbps時間まで0円 | 10Mbps × 744時間 | 0円 |
| WAF | B94579、B94277 | 1インスタンス、1,000万件まで0円 | 枠内と仮定 | 0円 |
| 合計 | 約78,180円 |
含めていない費用
次は表に入れていません。実際の見積もりでは、別の行で確かめます。
- Autonomous のバックアップのストレージ。データベースのストレージとは別に課金されます。
- コンピュートの自動スケーリング。既定で有効です。表は2 ECPU固定で計算しています。3倍の6 ECPUを月744時間使い続けた場合、ECPU分だけで約232,500円です(上限の計算例)。金額を固定したいなら、作成時に外します。
- 持ち込みライセンス(BYOL)。B95704 は12.5085円/ECPU時間で、2 ECPU・744時間なら約18,613円です。条件は公式で確認します。
- Block Volume の性能単位(B91962、0.2635円/VPU・GB月)。扱いは Cost Estimator で確かめます。
- Compute のブートボリュームのバックアップ。Always Free は合計5個までです。
- ログ、監視、通知、インターネット向け送信。それぞれ無料枠があり、超えると課金されます。
- ドメインの取得費用。取得先の料金を確認します。
動かす時間で別案を作る
Autonomous AI Database は、停止している間 ECPU の使用量がゼロになります。ストレージの費用は残るので、平日の日中だけ動かす場合は次のようになります。
動かす時間と月額の例
円/月2 ECPU × 744時間
2 ECPU × 220時間
3. Budgets で予算アラートを置く
Budgets は、実績または予測の費用がしきい値に達したときにメールを送る仕組みです。STEP 2 でリソースを作る前に設定します。
先に権限を確認する
予算はどのコンパートメントを対象にしても、ルートコンパートメントに作られます。ポリシーも in tenancy で書きます。グループ名は例です。
Allow group cost-admins to use usage-budgets in tenancy
Allow group cost-viewers to read usage-budgets in tenancy
use で予算とアラートルールの作成、編集ができます。削除もするなら manage にします。
作成の手順
- Budgets の一覧で Create Budget を選びます。
- Budget Scope は Compartment を選びます。Tags も選べます。
- Target Compartment はルートを選びます。子のコンパートメントの費用も対象です。
- Schedule は Monthly にして、金額を入れます。例は月90,000円です。
- Budget Alert Rule で Threshold Metric と Threshold Type を設定します。
- Email Recipients に宛先を入れて Create を選びます。
題材のアラートルールの例(月90,000円の場合)
| ルール | Threshold Metric | しきい値 | 届いたら |
|---|---|---|---|
| 順調か確認 | Actual Spend | 50% | 月の進み具合と比べる |
| 早めの警告 | Forecast Spend | 100% | 増えた原因を Cost Analysis で調べる |
| 対応が必要 | Actual Spend | 80% | 止める、減らす判断をする |
1つのコンパートメントに作れる予算は1つです。タグを対象にする場合も、タグごとに1つです。
4. 通知だけでは課金は止まらない
公式は予算を上限の目安(soft limits)と説明しています。超えてもリソースは動き続けます。
- 集計:Cost Analysis への反映は最大48時間かかることがあります。
- 予測:直線で延ばす計算で、3日分以上の利用が必要です。
- 評価:定期実行です。超えた瞬間には判定されません。
- 通知:宛先のメールアドレスへ届きます。
- 対応:Budgets の仕事はここまでです。止める判断は別に用意します。
確認は定期実行
通知には時間差があります。次の点を見込んでしきい値を決めます。
- Budgets の説明では、アラートの評価は24時間ごとです。予測については、1時間ごとに評価すると書かれたページもあります。
- 予測は3日分以上の利用がないと動きません。月初の数日は実績のルールで見ます。
- Cost Analysis への反映は最大48時間かかることがあります。
予測の計算は単純です。公式の式は次のとおりです。
予測 = 実績 ÷ 期間の開始からの経過日数 × 期間の日数
たとえば31日の月に、10日で30,000円なら予測は93,000円で、月90,000円の予算を超えます。月の途中で大きなリソースを作ると、増えた分の見え方が遅れる点にも注意します。
止める仕組みを足すなら
新しいリソースの作成を止める方法として、公式の Zero Quota Policy Creator があります。予算アラートをイベントで受け、Functions からクォータのポリシーを作ります。対象はコンパートメントの予算で、説明されているのは新規作成の防止です。動いているリソースを止めるとは書かれていません。
題材の規模なら、まずは担当者を決め、Cost Analysis を月に一度見る運用から始めるのが現実的です。
次に読むページ
- VCNと3層サブネット:ロードマップの次の段階、閉じたネットワークを作ります
- Always Free の範囲と注意点:無料枠でどこまで進めるかを決めます
- 学習ロードマップ:全体の順番と、STEP 7 の次の項目を確認します
よくある質問(FAQ)
- OCI Cost Estimator の結果は正式な見積もりになりますか?
- なりません。公式では評価用で、正式な見積もりではないとされています。金額は計画の目安として使い、契約の条件は Oracle の窓口で確認します。
- 予算を超えたらリソースは自動で止まりますか?
- Budgets だけでは止まりません。公式でも予算は上限の目安として説明され、役割は通知です。止めるには、担当者の操作か、別の仕組みを用意します。
- 予算アラートはすぐ届きますか?
- すぐには届きません。アラートは定期的に評価され、Cost Analysis への反映にも最大48時間かかることがあります。数日の遅れを見込んで、低めのしきい値を置きます。