OCI VCNの5大ゲートウェイ(IGW・NAT・Service GW・DRG・LPG)の役割とルート表設計を完全図解
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公式ドキュメントで検証最終検証 2026-10-31編集部出典 4件
当ページの解説・制限値・構成図は、一般公開されている Oracle Cloud Infrastructure (OCI) 公式ドキュメント、Oracle Cloud Price List、および Oracle University 公開試験ガイドを一次根拠として検証し、独自のSVG視覚図解として作成しています。
1. 一目でわかる!OCI VCNの「5大ゲートウェイ」全体マップ
OCIのVCN(Virtual Cloud Network)を設計する際、VCNの外にあるネットワークやサービスと通信するための「出入口」となるのが 5種類のゲートウェイ です。どのサブネットから、どこへ向かって通信したいかによって、使うゲートウェイの候補が絞られます。
- IGW:インターネットと双方向。パブリックIPを持つリソース用。
- NAT:外へ出るだけ。外からの接続は受けない。
- SGW:インターネットを通らずOracleのサービスへ。
- DRG:オンプレミス、他のVCN、別リージョンへの私的な経路。
- LPG:同一リージョンのVCN同士を接続。多くのVCNをつなぐならDRG。
図1の5つのゲートウェイについて、通信の向き(Inbound / Outbound)、接続先、対象サブネットを表1にまとめました。
表1:OCI 5大ゲートウェイの役割・通信方向の比較
| ゲートウェイ名 | 主な接続先 | 通信の向き | 対象サブネット | 特徴・設計の勘所 |
|---|---|---|---|---|
| 1. Internet Gateway (IGW) | パブリック・インターネット | 双方向 (Inbound / Outbound) | パブリック・サブネット | パブリックIPを持つPublic Load Balancerや踏み台ホストを外部公開する時に使用。 |
| 2. NAT Gateway (NAT GW) | パブリック・インターネット | 外向きのみ (Outboundのみ) | プライベート・サブネット | 外部からの着信を遮断したまま、外部のyumリポジトリや外部APIへ通信する時に使用。 |
| 3. Service Gateway (SGW) | OCI内のOracleサービス群 (Object Storage等) | VCNからOracleサービスへ | 主にプライベート・サブネット(パブリックは Object Storage 用ラベルのみ) | インターネットを通らずOCIのネットワーク内で通信が完結する。 |
| 4. Dynamic Routing Gateway (DRG) | オンプレミス(FastConnect / VPN)または他VCN | 双方向(プライベート通信) | 主にプライベート・サブネット | ハイブリッドクラウド接続の要。複数VCNを束ねるハブ&スポーク構成の中心にもなる。 |
| 5. Local Peering Gateway (LPG) | 同一リージョン内の別VCN | 双方向(プライベート通信) | プライベート / パブリック | 同一リージョン内の2つのVCNを1対1で接続する。多くのVCNをつなぐならDRGが勧められているが、2つのVCN間で最高の帯域や低遅延が必要な場合はLPGが選択肢になる。 |
ゲートウェイ自体の利用料は公式価格表で確認してください(2026-10-31確認)。SGWのほか、DRG、ローカルピアリング、Site-to-Site VPNにも追加料金はかかりません。
2. プライベートサブネットの黄金ルート表設計(NAT GW + SGW + DRG)
実務のプライベートサブネット(APサーバーやDBが稼働するサブネット)では、「オンプレミスとも通信したいし、OCIのObject Storageにもバックアップを取りたいし、外部のOSアップデートサーバーにも繋ぎたい」という3つの要件が同時に発生します。
この場合、1つのルート表(Route Table)に3つのゲートウェイのルート・ルールを並べて記述するだけで、OCIが宛先に応じて最適な経路へ自動振り分けしてくれます。
表2:プライベートサブネットの標準ルート表(Route Table)設定例
| 宛先(Destination) | ターゲット種別 | ルーティングの動作 |
|---|---|---|
All NRT Services in Oracle Services Network(東京の例) | Service Gateway (SGW) | 宛先がOracleサービス(Object Storage等)の場合はSGWへ流れる。 |
192.168.0.0/16(社内オンプレCIDR) | Dynamic Routing Gateway (DRG) | 宛先が社内ネットワークのプライベートIPの場合、FastConnectまたはIPSec VPN経由でオンプレミスへ流れる。 |
0.0.0.0/0(その他すべての外部通信) | NAT Gateway (NAT GW) | 上記2つに該当しない外部インターネット宛て通信(外部Web APIやOSパッチ取得等)のみNAT GWを通る。 |
3. Security ListとNSG(ネットワーク・セキュリティ・グループ)の使い分け
OCIの仮想ファイアウォールには「Security List」と「NSG」の2種類があります。
- Security List(セキュリティ・リスト): サブネット単位で紐づきます。そのサブネット内に作られたすべてのインスタンス・DBに同じルールが強制適用されます。
- NSG(Network Security Group): VNIC(ネットワークカード)単位で紐づきます。同じプライベートサブネットの中にあるリソースでも、「Web用NSG」「AP用NSG」「DB用NSG」のように役割ごとに異なるルールを付与でき、さらに 「送信元:AP用NSG からの TCP 1521 だけを DB用NSG で許可する」 といった柔軟な参照が可能です。
どちらも許可ルールだけで、拒否は書けません。VNICには、サブネットのSecurity ListとNSGのルールの和が適用されます。
よくある質問(FAQ)
- OCIのサブネットはアベイラビリティ・ドメイン(AD)ごとに分ける必要がありますか?
- いいえ、OCIでは複数ADにまたがる「リージョナル・サブネット(Regional Subnet)」が強く推奨されています。1つのリージョナル・サブネットを作れば、AD障害時にも同じサブネットCIDRのまま別ADでフェイルオーバー構成を組むことができます。
- プライベートサブネットからObject Storageへ通信する場合、NAT GatewayとService Gatewayのどちらを使うべきですか?
- Oracle Cloud内の対象サービス(Object Storage、Autonomous AI Database等)へのアクセスであれば、インターネットを経由せず、ゲートウェイ自体の料金もかからない「Service Gateway(SGW)」を使うのが基本です。
- Security List(セキュリティ・リスト)とNSG(ネットワーク・セキュリティ・グループ)はどちらを使うべきですか?
- Oracle公式のベストプラクティスでは、サブネット全体に一律適用されるSecurity Listは最小限にし、VNIC(インスタンスやDBなど)単位で役割ごとに細かくアタッチできる「NSG」をメインに使うことが推奨されています。